夫が8年間うつでひきこもりになっている夫婦の話

私の知り合いで、6年ひきこもりの夫を持つ女性がいます。

彼はサラリーマンで毎日朝から晩まで働き詰めの生活を送っていたんだけど、仕事に対しては特に嫌なそぶりを見せなかったらしい。

そんな彼がうつになるまでと、それからの長いひきこもり生活について話したいと思います。

夫40代にうつになる

彼女の夫に変化が見えてきたのは、ちょうど仕事で難しいプロジェクトに関わりだした時。

40代という中堅世代は、上司と部下や後輩の狭間に立たされる人が多くなってきますよね。

そんな立ち位置でなくても、仕事の中での人間関係はほんとーに難しい。

「 この人と相性合わないから仕事できませ~ん 」とは、口が裂けても言えないからだ。

そう、どんなに嫌な人間がそばにいてもサラリーをもらうために、妥協と苦痛を強いられる場合だっていっぱいある。

そして、彼女の夫の心はだんだんと蝕まれて家でもほとんど話さなくなったらしい。

うつから引きこもりの夫に

彼女は「 今でも、うつになった原因は 仕事 としか考えられない 」と言います。

まあ、ほとんど話してないもんね。

逆に奥さんに愚痴を言えたり、悩みを打ち明けていたら少しは方向が変わっていたのかもしれないね。

そして、そこから今日まで8年の引きこもり人生が始まった。

夫に遠慮する妻も軽い引きこもり状態?!

夫がうつをわずらって引きこもる毎日を過ごしていると、友達とランチに行くにも罪悪感を感じる奥さんがたくさんいると思います。

彼女もその典型でした。

「 お前だけ楽しそうだな。」

そんな夫の心の声が聞こえてくるようになるんだとか。

いやいや、待って。んなもん、共倒れになるじゃん!!

と、普通は思うんだけどうつで引きこもりの人とずっと一緒にいると、その症状や感情が伝染しちゃうんだろうな。

心療内科で改善されるのか?

彼女は2週間に1回、心療内科に通っています。

そして、色々なお薬をもらっているそうだけど私からすると、もう薬漬け。

この夫婦には子供はおらず、夫婦と1匹の犬との生活だ。

彼女の生活のサイクルは朝1番に犬の散歩をしてから、夫の分の昼食の支度を準備してからパートに出る。

帰りに買い物を済ませ、夫と無言の夕食をとり夫婦別々の部屋で寝る。

これを夫が引きこもりになった8年間ずっと続けている。

私から見ると夫婦関係が破綻しているように見えても、彼女は夫のことが大好きなんだと思う。

心療内科の先生は、たいていこんなことを言います。

「 うつや引きこもりの改善には個人差があるけれど何年も何十年もかかる場合がある。決して無理強いをしてはいけない。」って。

いや、それを支える側にだって相当リスクがあるし、毎日善人のように理解してあげられないよー!

個人的に薬は「これを飲めば安心」という暗示のために飲むだけのものだと思っている。

じゃあ、薬よりも効果があるのは何か?

生きがいと自信、そして口実

これに尽きると思う。

「 んだよ!そんな正論、こっちは期待してないんだよ!」

そうかもしれない。

「 しかも、口実って何だよ?!」この口実って言うのは、引きこもっている事の後ろめたい思いでない口実の事ね。

つまり、うつだから引きこもっているっていうのではない他の理由をつけること。

引きこもりの口実作りは自宅で副業?!

まず、もし私の夫が突然引きこもりになったとしよう。

私はこう思う。

会社勤めだけが「働く」の定義なの?

そう、心を殺してまで会社にイイ顔しなくていい。

他の道を探せばいいんだ!

自宅にいながらして数百円でもいいから何かお金に換えることができれば、もうそれは引きこもり夫から脱却し始めているんだ!

私はまず彼女にブログを作成するように勧め、色々な手ほどきをした。

彼女にも楽しみややりがいを感じて欲しかったからだ。

ブログで変化が見られた夫の言葉

ブログを開設して1ヵ月経った頃、夫に少し変化が見えた。

毎日、妻が「あーでもない、こーでもない」とパソコンをカタカタやっている。

いつの間にか、立派なブログが開設されているのを見て少し驚く夫。

「 その言い回し、おかしいんじゃない? 」

「 そこは、この画像の方があってるよ 」

なんて、少しずつ口を出し始めた。

彼女たちからすれば何ヶ月ぶりかの、まともな会話になったらしい。

その時に忘れてはいけないのが「 なるほどね!」や「 確かに、あなたの言う通り!」など、夫の自尊心をくすぐる言葉。

さっきも言ったけど、一緒にいると感情は伝染するもんだ。

彼女の「私、不幸です・・」ていう暗い顔がどんどん明るくなり、それが夫にも少し伝染した感じになってきた。

「 夫も、私の様子を見てブログを始めようかと言ってくれたの!」

先日、嬉しそうに彼女が話してくれた。

引きこもりの夫や妻を持つ人へ

中には、「 文章を書くのが苦手で、ブログなんて・・・」と思っている人もいるかもしれない。

でも最初は「誰かに読んでもらうため」ではなく、自分の気持ちの整理や好きなことをつづるだけでも良いと思います。

ネットであっても外の世界とつながりを持つことは、とっても刺激になります。

飼っているペットのこと、好きな映画やゲームのこと、とにかく手を動かすことが第一歩。

「ブログで稼ぐ」は、その後でいいと思います。

結局その彼女は2年ブログを続けていて、今は日課となっています。少しずつ収益もでてきているので「私のこんなつぶやきでもお金が発生するなんて嬉しい!」と喜んでいます。

もし夫や妻がひきこもりになっても愛情があるなら、それを否定せずにいてほしいと思います。

あの「ルネッサーンス!」でおなじみに山田ルイ53世もひきこもりだったんですね。



夫がひきこもりになると妻が嫌でも働きづめになるんですけど、女が大黒柱になった話を軽快に書かれている本があって是非おすすめです。

まあこれって、夫に愛情がなきゃなかなか出来ないことなんですけどね。

同じ様に夫がうつになって働かなくなった夫婦を知っていますが、離婚してしまいました。

夫がうつでも離婚できるのか?

夫がうつで苦しんでいるのに離婚なんて、あんたは鬼か!

と、言われるんじゃないかと心配している人もいるかもですが、基本的に離婚はできます。

条件としては、話し合いができて合意がある場合です。

もし相手が重度のうつで話し合いもままならない場合は、勝手に離婚届けを出すことはできません。

じゃあ一生、うつで引きこもりの相手の世話をし続けなければならないか?

というと、そうでもありません。

うつの場合は長期の治療をしていても回復の見込みがない時は離婚することができます。

この時、裁判所では「どのくらいの期間治療していたか?」が重視されます。

ひここもり夫のまとめ

ひきこもり夫をもつ彼女とは年に1度ほど会って話をしますが、離婚をする気はまったくありません。そろそろ50歳を迎える夫は、うつでひきこもっているという状態をのぞけば健康な大人だそうです。

彼女はとっても細身で心配になるくらい弱々しい感じですが、使命感をもっていまだ夫の世話にはげんでいます。

離婚してしまえば楽になるんだと思うけれど、愛情がある限り彼女は夫と一緒に居続けるんだなと思いました。

ただ、一つ変わったことはブログを一緒に取り組み始めたことだそう。

何かを一緒に作業することで、夫婦のきずなを確かめ合えるんでしょうね。

今後も彼女たちをウォッチして様子を見守っていきたいなと思います。

1 COMMENT

宇野直穂子

今正に旦那が引きこもっています。彼はパニック発作と鬱を患っており現在病状が酷いので買い物に行ったら直ぐに帰って来て。と私を束縛します。貯金を切り崩して生活していますが徐々に駄目になっていく彼を見ていると辛いです。私が働きに行こうと思っても男性のいる所は駄目等と焼きもちをやきます。私もストレスがたまりしんどいです。

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